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日南の社長

2019.7.23

竹から生まれるエンターテイメントを世界へ

竹に空けられた大小様々な穴でかたどられたデザイン。その美しい模様からこぼれる灯りが、幻想的な空間をつくりだす。



そんな竹灯篭が今、全国のみならず海外からも注目され、イベントやライブステージ、ブライダルの空間演出、店舗や自宅用のインテリア販売と、活躍の場を広げています。


その竹灯篭をつくっているのは、日南市飫肥出身の吉田周平さん。吉田さんは、環境問題である「放置竹林」をデザイン、アートで解決しながら、竹で出来るエンターティメントの可能性を広げていく活動をしています。


全国的に見ても竹灯篭づくりを生業にしている方は珍しく、日南では吉田さんただ一人。竹の伐採から、デザイン、制作、販売まで、すべて一人で行っています。


 


竹で出来るエンターテイメントの可能性を広げたい


日南市の飫肥で育った吉田さんは、大学進学を機に熊本へ。大学ではデザインを学び、スタイリストになる夢を叶えるべく福岡のブライダル会社に就職。しかし、3年ほど働いた頃に体調を崩し、飫肥に帰ることに。「体調を崩したことがきっかけでしたが、昔から自分のブランドを立ち上げて独立したい夢もあり、日南でデザイン事務所を立ち上げました。」


しかし、なかなか仕事と呼べるような仕事に巡り合えず、悶々と過ぎていく日々。そんな中、「振徳塾」という日南の人材育成塾の存在を知り、参加することに。そこで、同期だった2名と共に、放置竹林問題を解決しつつ、竹デザインで地域活性をさせるアイディアが生まれ、「日南竹あかりプロジェクト」を立ち上げました。そんな中、たまたま市長とお話しする機会があり、「竹灯籠で夜の飫肥を飾り、賑やかさを取り戻したい」と伝えると、観光協会の方などを繋げてくださり、2015年の飫肥城下まつりへ向けて活動を開始しました。


 


仕事がゼロでも、自分を信じてつくり続けた


飫肥で竹灯篭を飾ることが決まりましたが、竹に関する知識はほぼなく、芸術学部で過ごした大学時代に授業の一環でふれた程度。なんとか大学時代の先輩を頼りに、独学で制作し、無事に城下祭りを成功させました。


その後、その作品を見た会社から、イベントの声がかかり、本格的に竹灯篭の作品を作り始めます。しかし、そんな依頼は数ヶ月に1度程度。「来月は仕事がゼロ」という状況に何度もぶち当たり、その度に就職の道を考えたり、辞めようと考えたことも。しかし、そんな中でも、ただひたすら竹灯篭を作り続けた吉田さん。



「日南の人って優しいんです。同じ頃にスパイス屋を始めた友人が、毎日のようにカレーを食べさせてくれたり。地域の方も応援してくれたり。」そんな後押しもあり、「もう、今の自分には竹しかないから、やるしかない」と、自分を信じて竹灯篭の技術を磨き続けました。


 


トライアンドエラーを繰り返して見つけた、独自の技術


「竹を扱う技術をあげるために、熊本の先輩のところに通って学んだり。自分の作品を見た方のアドバイスに習って、デザインを研究したり。初めは竹なんて興味もなかったけれど、竹と長く付き合っていくうちに、どんどん愛着がわいて、好きになりました。」


地道に竹と向き合う日々を過ごすこと約3年。ようやく、作品づくりに向いている、水分の少ない竹を見分けられるようになったり。模様の穴の角度を変えることで、灯りの見え方を変える工夫ができるようになったり。トライアンドエラーを積み重ね、ようやく独自の技術が確立されていきました。



「竹灯篭は作って終わりではなく、見た人の心を動かして、初めて完成するもの。だから、デザインはいつも見てくれる人の驚いたり、幸せになったりする顔を思い浮かべながら作っています。」


 


日南発、世界へ。NITTAKEのファンから、日南のファンへ。


現在、吉田さんの作品は「NITTAKE(ニッタケ)」というブランドで県外、そして世界に羽ばたこうとしています。


「宮崎県内のリゾートホテルでの空間デザインや、空港での販売をさせていただけるようになり、ようやく軌道に乗り始めました。また、日本各地の空港や、百貨店での販売に力を入れています。そして、アメリカやハンガリーでの展示の声もかかり、今後は積極的に海外にも展開させたいですね。」と、最近では、月の半分以上は県外で滞在することが多い吉田さん。しかし、拠点はやっぱり好きな日南。日南に戻ってきては、竹を伐採し、次の展示に向け、作品を制作しているそうです。


「日南の地域活性のためにやってるんですか?と、講演会などで聞かれることもありますが、結果的にそうなればいいと思っています。つまり、まずはNITTAKEの作品を好きになってもらい、それをきっかけに日南を知り、足を運んでくれるようになったら嬉しいですよね。僕の役目は、環境問題である「放置竹林」をデザイン、アートで解決しながら、竹で出来るエンターティメントの可能性を広げていくこと。だからこそ、まずはいい作品をつくり、見た人を感動させ続けたいと思っています。」


 


人との巡り合わせで、生かされている


「日南を飛び出した大学時代。日南には何もないと感じ、もう帰ってくるつもりはありませんでした。しかし、戻ってくると、日南の何もないながらに、いいところがあると気づきました。特に、人がいいんです。これは地元だからとかではなく、日南の挑戦する人を応援する空気が、やさしいですよね。


そして、竹を通じて人と巡り会い、新たなチャンスをもらい、また次の方に巡り会う。「運」というより、人との巡り合わせに助けられてきました。


毎日カレーをご馳走してくれた友人や、百貨店を紹介してくれた方、海外の展示を繋げてくれた方など、これまで支えてくれた方への恩を、少しずつ返していきたいです。」



目まぐるしい日々を過ごす中、取材の時間をとってくださり、その上、制作中の作品まで紹介して見せてくださる。そんな、どんな時でも目の前の人に真摯に向き合う吉田さんだからこそ、人に恵まれてきたのだと感じました。


(2019,7,22取材)


 

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