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日南で働く人々

2019.3.19

都市部と地方の教育格差をなくす開拓者

教育・研修プランナー 羽田野祥子さん

羽田野さんは熊本県八代市出身の32歳。明治大学への進学を機に上京し、企業の人材育成やキャリア教育に関わる仕事をされてきました。その後、30歳の節目に「熊本にいる母の元へ帰ろうか」「東京でチャレンジし続けるか」を迷っていたところ、当時の上司に日南市が面白いよと紹介され決断。『直感で決めた、と言ったらそれまでだけど、若い市長が面白いということ以上に、そんな若い人を受け入れて市長にする市民の人たちの「変えていこうとする気風」に興味を持ったんです』と、移住の決め手を教えてくださいました。移住後は、日南市にサテライトオフィスを持つIT企業で新規部署の立ち上げに携わり、その後、教育・研修プランナーとして独立しました。 


 


都市部と地方の教育格差をなくすために



教育に奮闘するきっかけは、東京での大学時代に遡ります。『海外インターンシップの運営をするNPO団体に入った時に「大学生だけで、世界をまたにかけるような事業ができるのか』と衝撃を受け、地元に留まっていたら知ることや経験することができなかった世界を目の当たりにした」と、この頃から都市部と地方の教育機会の格差に危機感を抱くようになったそうです。「日南市に来て、一度は企業に勤めましたが、やっぱり私は教育に携わりたい」その思いに火がつき、独立後は教育・研修プランナーとして中学生や高校生向けにキャリア講演をしたり、高校のプロジェクト学習に関わったり、IT企業の社員研修を担当したり、仕事の幅を広げ続けています。


 


「ジョブシャドウイング」は中高生のキャリア革命



羽田野さんの教育活動の中で、好評をえているのが「まちのジョブシャドウイング」。これは、中高生が働く大人に1日、影のように張りついて同行し、大人たちがどのような仕事をしているかを観察して学ぶ取り組みのこと。もともとはアメリカで子どもたちの職業体験プログラムとして誕生したもので、それを自ら日南市に取り入れ、一からプログラムを立ち上げました。


参加した高校生の一番の変化を聞いてみると「仕事の見方が変わったこと」だそうで、『参加する前に「仕事とは何か」を聞いてみると、「お金を稼ぐ手段」や「自己実現のため」という取ってつけたようなイメージが強かったんです。それが実際に1日体験してみると、「人と関わる」とか「誰かの役に立つ」といった中高生も経験している日常の延長に、結果仕事としてお金が入ってくる側面があることを体感し、働くということが「得体の知れないもの」から「身近なもの」に変化した様子がうかがえたそうです。まさに、ここでは高校生のキャリア革命がおこなわれているようでした。


 


道なき道をつき進む、教育の開拓者


ご自身のキャリアは、どのように描いているのか聞いたところ、「どうしましょう?」とおどけてみせた羽田野さん。「基本的に私は飽き性なんです(笑)。ここでは誰もまだ見たことないけど、それは必要だと思ってもらえるものを形にする、0を1にする仕事が好きなんです。だから1を100に広げていく仕事は、私よりも向いている方と連携しながら、教育格差をなくすための取り組みを加速させていきたいですね」と意気込みをみせてくれました。


 


移住1年で独立。まわりが人や仕事を繋げてくれた。


そんな積極的に教育事業の展開をしている羽田野さんですが、今、一番苦労していることを聞いてみると「教育で食べていくこと」と苦笑いしながら答えてくれました。「学校の教育プログラムには、外部講師の予算が組み込まれていなかったりと、まだまだボランティアが前提の風潮があります。」そんな彼女をほうっておかないのが、世話焼きの日南人。「私が独立する、と周りの人に伝え始めたとき、みんな「食べていけるの?」「誰か紹介しようか?」と飲みに誘ってくれて、色んな方を紹介してくださったそう。「いただく仕事はご紹介中心で、ゼロからの営業はしていません。実績ではなく、私自身がどんな人間か、何をしたくて、何ができるのか、個人的なお付き合いの中で知ってもらって仕事につながるのが、都市部との大きな違いかもしれません。」と話されていました。


 


移住したら、自分を大切にしながら生きられるようになった。


「移住って、ただ仕事が変わるだけではなく、生き方そのものを変えることだと思います。」そう語る羽田野さんの移住後の変化を聞いてみると、「20代だった東京時代は、朝から真夜中までバリバリ働いて、土日も趣味やボランティア活動を隙間なく入れて、自炊なんて一切しないような生活をしていました。それが、今では料理をしたり、6時間以上睡眠をとったり、ちゃんとお風呂につかったり。だいぶ人間らしい生活をするようになりました。東京での生活は楽しかったし、頑張ったからこそ今の働き方ができていると思うので、当時の生活も私には必要不可欠だったと思っています。ただ、何を大事にして生きるのか、というフェーズが変わったのかな、と。一番の変化は、慢性的な生理不順がピタッと治ったことですね。」と、移住後の予想外の体の変化に、驚かれていました。


 


仕事と生活の充実。試行錯誤しながらも、その両方を自分なりに楽しみながら変化させ続ける羽田野さん。今後の活動が楽しみですね。



(2019/3/3取材 渡邉茜

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