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日南で働く人々

2019.4.01

海の挑戦者、次は保育園を。子どもたちに自然を体験させたい

株式会社マタウマリンサービス 代表取締役社長 谷口義人さん

日南で生まれ、東京、ニュージーランドでのワーホリ生活などを経て、日南の自然の豊かさに気づきUターン。「海を楽しんでもらいたい」そんな思いで起業したマタウマリンサービスは今年で7年目。初心者や家族向けのフィッシング体験を中心に、観光クルージングなどを行なっています。また、「観光業で働く方のための保育園をつくりたい」「子どもたちにもっと自然を楽しんでもらいたい」との思いから、保育事業もスタート。まさに「挑戦者」という名前がふさわしい谷口さんの、今までとこれからをご紹介します。


東京、NZ。一度外に出たからこそ、日南の魅力に気づいた。


谷口義人さんは1979年日南生まれ。中学校まで野球や陸上に明け暮れ、海とは無縁の生活を送ってきました。しかし、高校時代にサーフィンに魅了され、スポーツを勉強するために上京。卒業後は海に関わる仕事を選び、プレジャーボートの販売も経験しました。そこで海外のお客様対応をする機会が多く、英語でボートの魅力を伝えきれないもどかしさを感じました。その悔しさが乗じ、英語を話せるようになりたい一心で、ワーホリでニュージーランドへ行き、英語と海漬けの日々を過ごしました。しかし、世界を経験したにも関わらず、再び日南に戻ってこられた谷口さん。その理由を聞いてみると「一度、日南から出たからこそ気づいたんですよね。なんて豊かな自然環境が身近にあるんだろうって。」


 


フィッシング体験で海を楽しんでほしい


日南に帰ってからしばらくは、南郷町で水中観光船の船長を務めましたが、「もっとお客さん一人一人の希望を聞きながら、自ら海の楽しさを伝えたい」と、2014年に独立。初めは水上タクシーに力を入れましたが、なかなか厳しく、初め3ヶ月は手取り1000円くらいだったそう。このままではまずい、と新たな事業を模索。「海を楽しむ」という思いは変えず、手段を「フィッシング体験」に変えたところ手応えは上々。しかし、釣りに関しては初心者だったため、釣具店の方から手ほどきとを受けながら勉強を重ねました。こうして地道な努力が実り、今では週5日以上出航する日々が続いています。「できるだけお客様の希望は聞くようにしています。例えば浅いところ、深いところ、ブリがいい、タイがいい。長い時は10時間くらい一緒に過ごすこともあります。」と、とことんお客様の要望に寄り添うことで、谷口さん目当てにわざわざ日南に来る方が、後を絶ちません。


 


海から宮崎のファンをつくる


谷口さんが「日南の自然を楽しんでほしい」という思いの裏には、「宮崎の人が、自らの自然体験から、宮崎の魅力を語れるようになってほしい」という願いがあります。と言うのも、東京で過ごしていた頃、「宮崎出身」と言うのが恥ずかしかったり、その魅力を語れない自分がいました。しかし、地元には豊かな自然が身近にあり、そこでの体験を語ることで県外のファンをつくり、めぐりめぐって宮崎県民の誇りになると気づいたそう。また、そんな谷口さんの噂を聞きつけた各界の釣り好きが日南を訪ねPRする動きもあり、海から宮崎の魅力を発信するやりがいも感じているそうです。


 


保育園の事業承継。日南の観光業を営む人のために。



今回の取材に訪ねたその先はチャイルドハウス「さくらんぼ」。子どもたちに囲まれて現れた谷口さんは、この4月からここのオーナーとして働かれています。「なぜ海の男が保育園を?」と思うかもしれませんが、実はこれには自然な流れがありました。というのも、日南の保育所は土日休みが基本で、「自分を含め、観光業に従事する人にとって、土日こそ託児が必要」という課題を以前から持っていました。そこで、企業と組んで土日も預かれる保育園をオープンすることを決意。その勉強をするために、研修をお願いしたのがさくらんぼの前オーナー。ところが、「研修じゃなくて、運営してほしい」とお願いされ、まさかの谷口さんがさくらんぼを運営することに。今後はマタウマリンサービスの特徴を生かしながら、子ども向けの自然体験を充実させていきたいそうです。


 


日南の自然を伝え、守る。


「私たちのような自然相手に働くプレイヤーが、この自然の素晴らしさを次の世代に伝えて行くことが、日南の自然を守ることに繋がる。」そう話される谷口さんは、同世代の仲間と年に1度、親子で自然体験を楽しめるイベントを開催。そこでは手作りの竿で釣り体験をしたり、マリンスポーツをしたり、農家さんがジャム作りを教えたりしています。


 


「保育事業もしますが、やっぱり海が好き。弟子ができたら、インバウンド対応にも力を入れていきたい」と、ご自身の今まで積み重ねてきた経験をフルに生かそうと奮闘する谷口さん。日南の観光を、そこで働く人の生活から支え、盛り上げていく姿にこれからも目が離せません。


 


(2019/4/26取材 渡邉茜)

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