2024.11.01
間借りカフェ「Flat EN」を営む、小室 優花さん
みなさんは“日南”と聞くとどんなイメージを連想しますか?
自然?食べ物?暑そう?いろいろ思い浮かべられます。私は日南で活躍する“人”が出てきます。日南には自然や食べ物はもちろん、他者や物事に影響を与え熱くさせる“人”が沢山いるのです。物事に挑戦し全力で向き合える人、周りを巻き込み協力しながら世の中のために活躍している人、”楽しむ”気持ちを持ちながら好きを極め続けている人。そんな人が溢れています。物事に向き合う姿勢や真剣な眼差し、情熱のある心。そんな人々をここでは“かっこいい人”と表現します。
“かっこいい人”がいるから日南はより光るし、日南という場所があるから人が光りかっこよくなれる。街と人が相互に作用しあって成り立つ。そんな魅力の多い日南で活躍する“かっこいい人”を紹介したいと思います。
“好き”を極め続けた先には…。
約1年半前に岡山から日南へ移住してきた小室さん。
小室さんは、自身が営む間借りカフェ「Flat EN」でヒト、モノ、コトを繋ぐコミュニティの場を提供しています。“好き”が散りばめられた店内では、小室さんが全国各地の窯元から一つひとつ選び集めたマグカップやお皿と共に美味しいスイーツが食べられます。カフェ以外にも、ワークショップやイベントもやっていて毎週多くのヒトで賑わいます。
↑小室さんが全国各地の窯元から一つひとつ選び集めたマグカップ。
↑小室さんのその日の気分によって提供するものが変わる「気まぐれスイーツ」
↑お店大人気のバスクチーズケーキと自然派シロップで作られた日南ソーダ「森」
↑「Flat EN」で陶芸体験を行った際に作ったお皿
宮崎がすごくキラキラして見えた
宮崎には、趣味のサーフィンがきっかけで何度か訪れていた小室さん。
「サーフィンをやりたいと思って来た宮崎が、すごくキラキラして見えて。海も綺麗だし、自然豊かで。ヤシの木(フェニックス)なんて他の県には、あまりないじゃないですか。沖縄行くか海外行くか、宮崎ぐらいにしかないイメージです」
巡り合わせで日南へ移住することに
宮崎へ住みたいという気持ちはありつつ、その反面、お仕事を見つけられていない不安感や「もっと良いところがあるのかも」という考えから移住をためらっていました。
しかし、全国を旅しながら農業を行う”ファームキャラバン”を通して、再び宮崎で過ごすことに。
「やっぱり良かったんですよね。海が近いっていうだけでこんなに心が穏やかになるのかって」。
そこから、知人に日南の案内をしてもらったり、自分が理想とする働き方ができる仕事に出会えたりと、事が重なり日南への移住を決意しました。
「決め手としては、好きな場所で、海もあり、住める環境も整っているところでした」。
移住生活のリアル
日南へ移住して、衝撃だったことは民放テレビが2局しかないこと。元々、テレビを見る機会は少ない方でしたが、唯一朝に放送されるドラマは好きで見ていた小室さん。しかし、受信環境により見ることができずとても驚いたそうです。また、お店の開店時間にも衝撃を受けたそう。朝早くから活動したくても、開店しているお店がありません。
「行きたい時に行きたい場所には行けないんだと思いました。その分、お家時間が充実するんですよね。『作ろう』って、『お家でカフェするぞ』って」
都心と比較すると、情報に遅れがあったり、お店が多いわけではないので行く場所が限られたりします。しかし、そんな環境をも楽しめるのが小室さん。ないから自ら作り出す。やってみる。そんな前向きな姿勢や物事への向き合い方がかっこいい。
日常さえも楽しいのが日南
「日南に移住してみて良かったことは何ですか?」と質問すると小室さんらしい回答が返ってきました。
「一番は日常が楽しいことですかね。日々生きてるだけで、生きてるなって感じることができています。周りには移住後に起業している人もいて刺激になるし、応援されやすい環境だなって。便利じゃないのが良いんですかね。便利すぎたら、ないものねだりになってあれも欲しい、これも欲しいって、すぐ手に入るから。ここでは、ないのが当たり前。だからこそ、あるものを探そうとする。そうすると、生きてるって実感するんですよ。ここでは、丁寧な暮らしを自然にできるんですよね」と話してくれました。
Flat ENの開業経緯は…SNS!?
元々、岡山でマルシェや間借りで出店していた小室さん。移住し、生活が落ち着いてきたら日南でもアウトプットできる場所が欲しいと思い、軽い気持ちでSNSに投稿しました。
小室さんは、X(旧Twitter)で、
#日南市 や #間取り をつけて「日南市でカフェしたいな」とポストしたそうです。すると、果敢に“好き”を極め続ける小室さんに一通の返信が。それは面識のない方からで、「間借りでカフェをやってほしいというところがあるのですが、どうですか?」とのことでした。それがきっかけで、Flat ENを開業することになったそうです。
“ヒトとの繋がり”を通して私ができること
沢山の物事に挑戦して経験を積み重ねている小室さん。そんな小室さんの今後の目標やこれからやりたいことを聞いてみました。
「将来的には古民家でカフェをやりたいなと思っています。手作りの野菜や器で、料理やスイーツを提供したいです。
日南で多くのヒトとの繫がりを感じたので、私自身が作る場所も地元の人、移住希望者やサーフィンで来る旅行者、いろんな人が繋がる架け橋になるようなところにしたいと思っています。」
自分の“好き”を極め、絶えず挑戦をし続ける小室さんの周りには、沢山の熱い人が集まります。“好き”を極め続けた先には、ヒト、モノ、コトが繋がってより人生を豊かにしていきます。
今までは、ファームキャラバンを通してお試しでいろいろな地域に住んで経験を積み、自分の”枝”や”葉”をつけてきた小室さん。しかし、”どこに拠点を置くか”という”根”の部分は決められてなかったそうです。そのために、これからは日南で根の部分をしっかりと張って頑張りたいと強く語ってくれました。
インタビューを通して、”人生は一度きりだから、沢山挑戦してみること。辛いこともあるかもしれないけれど、楽しむ気持ちを忘れず進み続けること”を教わった気がします。
これからも、沢山のことに挑戦し続ける小室さんのようなかっこいい人の活躍に期待が膨らみます。何かに挑戦することは不安で、簡単なことではないですが一歩前へ踏み出すことで自分を変えられるかもしれません。あなたも日南で“かっこいい人”を目指しませんか。
(2024/9/28取材 前畑菫)